光触媒空気浄化機能
光触媒による空気浄化機能は大気の浄化と身近な消臭に大別して説明されます。
大気浄化
自動車排ガスなどの含まれる窒素酸化物(NOx)や様々な化学品に含まれる揮発性有機化合物(VOC)などは
活性炭のような吸着技術やフィルターのような濾過技術では除去できません。
これらを光触媒酸化により分解、あるいは化学変化で無害化することが光触媒大気浄化の機能です。
① 屋外
窒素酸化物(NOx)を対象に研究開発が進められており、国際標準化もこの分野が光触媒の最初のISO標準となりました。
NOx はNO(一酸化窒素)とNO2(二酸化窒素)の混交物を指標物質として評価します。
太陽光紫外線に励起された光触媒によりNOはNO2に、NO2はNO3にと酸化され、降雨などの水分に溶けて希硝酸になります。
こうして大気中のNOx はその濃度が減少することで危険な濃度領域から脱することができます。
実験室の試験では光が照射されると大きくNOx の濃度が減少することがグラフから判ります。
② 室内
揮発性有機化合物(VOC)として塗料に含まれるトルエン、建材や家具から発生するアセトアルデヒド、ホルムアルデヒド
生ゴミ臭の原因物質のメチルメルカプタンなどが対象物質です。
こうした化合物は光触媒酸化により分子構造が壊れ、空気中の濃度が低減していきます。
消臭
消臭の対象として上記空気中のVOCとは別に検討されているのが付着臭消臭です。
汗に含まれるアンモニア、家具や壁紙に染みついたタバコ臭などは上記VOCとは区分して検討されています。
その試験法が未だ光触媒の標準試験法として確定していないため、評価としては上記VOCの試験と
同様の試験をもってその効果を検討します。
アンモニアは刺激臭があるので除去したい対象ですが、光触媒では分解されずNOx のように酸化により
化合物としての変異をもって濃度低減と考えています。