大気浄化

ビルの外壁や道路の遮音壁の表面に形成された光触媒膜は、太陽の力だけでNOxを除去することができます。

道路資材としての防音壁・遮音版、中央分離帯、ガードレールなど設置された箇所に光触媒加工を施すことで、自然の力である太陽光と降雨のみにより排気ガスNOxの抑制を行うことができます。

また太陽光が期待できないトンネルや地下高速道でも、送風機や紫外線ランプとの組み合わせにより、能動的にNOxガスの抑制を行うことも可能です。

一定区間を走行する自動車から排出されるNOxの10%をその周辺に設置された光触媒が除去することができれば、十分に環境価値のある性能であると考えられます。

このような観点から空気中のNOx除去性能については以下のような現地実験が実施されました。

光触媒の大気浄化機能はNOの酸化除去として解釈されています。有機物分解ではなく、あくまで酸化反応がその骨子となります。 単純に説明すると以下のようになります。

NO  ー酸化→ NO ー酸化→ NOx

この過程で空中には窒素と酸素もある訳ですから O2 ―酸化→ O3 ; N2ー酸化 →NO

NO → 上記反応の繰り返し、また O3 ―還元→O2 という反応も同時に成り立つわけです。

この効果を実験的に表現すると、光が当たっている時間はNO濃度が減少し、酸化されたNOはNO2

となるため、代わってNO2濃度が上昇します。

こうした試験方法は日本のJIS R1701-1として制定され、その後ISO国際標準試験法 ISO 22197-1 として制定されました。現在、光触媒のNO削減機能を試験する国際的な統一試験法は日本が主導して制定されました。