粉でない二酸化チタン光触媒とは
弊社の光触媒の特徴は、粉状二酸化チタンを使用せず、薄膜の光触媒を生成するところにあることは説明いたしました。
粉体そのものには相互に密着固定化できないので、バインダの接着効果で粉を砕いて固定化するしかありません。
有機成分の接着剤では光触媒の酸化分解により光触媒を密着させているバインダが年月の後に壊れてしまいます。
無機バインダは壊れませんが肝心の光触媒がバインダに埋もれて表面で効果を発揮できるのは一部となります。
これに対して粉状二酸化チタンを使用せず、二酸化チタンナノ結晶体そのものを膜状に形成するのが弊社の技術です。
粉を形成しているのは結晶体です。
数ナノメートルというサイズの結晶体が幾千も凝集することで粉が形成されます。粉のサイズは数ミクロン、すなわち結晶の数千倍の大きさをもっています。
ここで結晶体を凝集させず、直接基材の上に二酸化チタンを膜状に生成すれば、大きな粉を固定するのに必要なバインダが不要となります。
粉でない光触媒、ナノ結晶二酸化チタン分散体と称するのはこのような技術的バックグランドによるものです。
ここでナノ結晶体であればどうしてバインダが不要なのか、という質問が生じます。
二酸化チタンのナノ結晶粒子がどうしてバインダ不要で表面に密着できるのかを古典的なニュートン力学で説明いたします。
ナノ粒子が基材に引きつけられる力のひとつに分子間力が挙げられます。
ナノ結晶粒子に働く力とは古典力学では
結晶粒子質量と基材質量の積を
結晶粒子と基材との距離の2乗で除したもの
として表現することができます。
分母であるナノ結晶粒子と基材との距離はナノサイズ(1x10-6)ですので、この2乗ですから1x10-12 となり 力としてのディメンジョンは1x1012
ナノサイズである故の巨大な力が働いて基材に引きつけていることが理解できます。
もちろん基材への塗工は乾燥したナノ結晶粒子として行われるのでなく、水分散体として施工されるので、結晶粒子を含んだ液滴がどのように成膜され固定化されるかについては以下のご説明にてお願い致します。