ゾルゲル法はチタンアルコキシドを加水分解して得られるゾルを加熱焼成により酸化して二酸化チタン薄膜を形成する技術です。

チタンアルコキシドは加水分解が進むとチタン成分と水中のOH基が網目状に整列していき前駆体を形成します。

この前駆体を基板上に薄く成膜したものを湿潤ゲルと呼び、これを乾燥、焼成して固体の薄膜が完成します。

このようにして産まれた初代の光触媒薄膜は今でも製品として利用されております。

ただこの方法の弱点は加熱焼成が必須であったことでした。 そこで加熱焼成を伴わない二酸化チタンゾルの開発にとりくみました。

非加熱焼成ゾルゲル液の生成

ゾルゲル法で得られる前駆体チタニアゾルを、加熱や化学的酸化プロセスを与えることにより液のまま、 二酸化チタン結晶を液中に生成する手法を見いだしました。 つまり二酸化チタン結晶は固体になることなく、純粋に結晶として水中に分散させることに成功したのです。