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抗菌

AB光触媒を用いることによる効果として、抗菌も挙げられます。光触媒は前述の通り、光のエネルギーにより励起され発生したOHラジカルが作用します。このOHラジカルが菌のDNA螺旋を切断し、脂質・タンパク質を酸化することから微生物そのものを不活化し、次世代固体を生じさせず、繁殖を抑制させることが知られています。これまでの紫外線のみでの殺菌では、微生物は活性を失っても、再び可視光を浴びると再活性化してしまう弱点を補完する効果といえます。

光触媒による効果を確認するために、室内条件に近い蛍光灯下での光触媒加工ステンレス板の抗菌効果を調べた結果を以下に示します。

実験

JIS R1702「ファインセラミックス-光照射下での光触媒抗菌加工製品の抗菌性試験方法」フィルム密着法」に従い、供試片の表面に1/500普通ブイヨンで調整した菌液(Escherichia coli NBRC-3972)を滴下し、フィルムで密着させ20~25℃で遮光および蛍光灯を照射しながら保存。測定は供試片上の菌液について生菌数を測定した。

結果

表1のとおり、光触媒ステンレス板の初期菌数は大腸菌にて3.0×105個。蛍光灯を照射して24時間後には10個以下と菌の死滅が観測された。

 

抗菌力試験       ((社)京都微生物研究所による)
試験菌

 測 定

試 料  供試片1枚あたりの生菌数
 E-coli

接種直後 

対 照   3.0×10

 遮  光     室温8H後 

対 照  1.7×10
検 体  1.9×10

光触媒照射 室温8H後 

対 照   3.5×10
検 体   <10

実環境における抗菌評価

この抗菌・抗黴性能については、水分の多い食品工場などにおいてさえ、非常に高い効果をもたらすことが証明されています。 写真1、2については、乳製品工場の天井面への施工後6ヵ月後のものですが、効果の違いが非常にはっきりと現れています。

公共交通機関のおける光触媒の抗菌利用

不特定多数の人々の出入りがある公共建物や交通機関では、菌やウィルスの伝播拡散が心配されています。

イタリアの首都ローマでは、こうした問題への対処として市中をはしる市バス車内に光触媒抗菌コートを施して、その効果実証試験をおこないました。

P1010075

 

2台の市バスの車室内を清掃・洗浄した後、直ちにその時点での附着菌数を確認する評価をおこないました。

次に1台に光触媒抗菌コートを施し、1台はそのままとしました。

P1010083その後、2台のバスは通常と同様に市中を走り回り、乗客を乗降させて運航すること1ヵ月経過した時点で、清掃後に行ったのと同一の菌数評価をおこないました。

以下はその結果です。未コートのバスは光触媒コート済バスに比べ、最大87%菌数が多く検出されたという結果です。興味深いのはより乗降客が接触する乗降ボタンやグリップなどで、より菌数の違いが明らかになったことです。

バス抗菌後

この実験写真の全容が事例ギャラリーの頁でご覧いただけます。

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